ROKLive Japan 2026参加レポート
AI・デジタルツイン・オープンプラットフォームが描く、これからの製造現場
先日、ロックウェル・オートメーションが主催する「ROKLive Japan 2026」に参加しました。
今年のイベントテーマは、「今すぐ成果を出す製造改革」。デジタルツイン、AI、ロボティクス、OT/IT融合など、最新の製造DX技術が数多く紹介され、単なる将来構想ではなく、「現場でどう活用するか」という実践的な内容が印象的でした。
AIが設備設計やPLC開発を変え始めている
展示の中で特に興味深かったのは、生成AIを活用したエンジニアリング支援です。
仕様書や設備図面をAIに読み込ませることで、PLCプログラムの生成を支援したり、既存設備のプログラムと比較して差分や不足機能を分析したりするデモが紹介されていました。
また、PLCプログラムを一から作るのではなく、あらかじめ用意されたラダーライブラリから必要な機能を選択し、フロー形式で生産工程を構成していくFAプラットフォームも展示されていました。
これまでエンジニアが経験を頼りに行っていた設計・プログラミング作業が、AIやライブラリ活用によって大きく効率化される時代が始まっていることを実感しました。
エッジでデータを取得し、その場でフィードバックする世界
もう一つ印象的だったのが、溶接品質の監視です。
溶接電流や電圧などの各種パラメータをエッジデバイスでリアルタイムに取得・監視し、その結果を設備へフィードバックする仕組みが紹介されていました。
単にデータを蓄積するだけでなく、その場で品質を安定させる制御へつなげる考え方です。
製造現場では「データを集めるDX」から、「データを使って品質を改善するDX」へと進化していることを感じました。
デジタルツインは「見る」から「同期する」へ
セミナーでは、本田技研工業株式会社によるデジタルツインの取り組みも紹介されました。
非常停止を実設備で行うと、バーチャル設備も同時に停止し、補正後はHMI画面も同期、さらに実設備とバーチャル設備を同時に再起動するデモが披露されました。
デジタルツインというと、シミュレーションや事前検証のイメージが強いかもしれません。しかし今回の講演では、実設備と仮想設備がリアルタイムに同期しながら運用される姿が示され、「運転中も活用するデジタルツイン」という新しい方向性を感じました。
テルミックスでも、構想設計や設備立上げにおいてシミュレーションを積極的に活用していますが、今後はリアルタイム連携を含めた活用方法にも注目していきたいと考えています。
オープンな製造プラットフォームへの流れ
もう一つ参加したレッドハット株式会社の講演では、MargoプロジェクトやOpenShiftなどが紹介されました。
ロックウェル・オートメーションやシーメンスなど主要ベンダーが連携し、ベンダー依存を抑えたオープンな製造プラットフォームを実現しようという取り組みは非常に興味深い内容でした。
製造業ではこれまで設備ごとに閉じたシステムが一般的でしたが、今後はクラウドネイティブ技術やコンテナ技術を活用しながら、柔軟で拡張性の高いシステム構成が求められる時代になると感じました。
テルミックスが感じたこと
今回の展示会を通じて強く感じたのは、「AI」「デジタルツイン」「オープンプラットフォーム」は、それぞれ独立した技術ではなく、一つの製造システムとしてつながり始めているということです。
しかし、それらの技術を最大限活かすためには、生産ライン全体を構想し、設備・ロボット・搬送・制御を統合できるエンジニアリング力がこれまで以上に重要になります。
テルミックスはこれからも、自動化ラインビルダーとして最新技術を積極的にキャッチアップし、お客様にとって本当に価値のある生産システムをご提案できるよう、技術力の向上を続けてまいります。