パキスタン自動車工場|サイドボディ組立ライン自動化【後半】
海外現場でラインに息を吹き込む
― 施工パート ―
施工フェーズでは、設計された設備を実際に稼働する生産ラインへ仕上げていきます。
図面上で成立している設備を、現場で確実に動く設備にする。この工程こそ、ラインビルダーとしての力が最も問われる場面です。
今回のパキスタン案件では、日本とは大きく異なる環境の中で設備工事を進める必要がありました。
現地では、お客様の生産状況に合わせて工程調整やタクト調整が発生し、工事スケジュールの変更も少なくありません。それでも現地メンバーと協力しながら柔軟に対応し、最終的には希望タクトに収まるラインとして立ち上げることができました。
施工中に発生したトラブルの一つが、ロボットのガンチェンジ不具合です。
ガン置台からガンが持ち上がらず設備が停止してしまいました。原因がなかなか分からず、弊社での努力と他社様のお力も借りしながらなんとか復旧することが出来ました。会社は違えど「困ったときはお互い様、会社関係なくみんなで終わらせる」という心が素晴らしい関係を築きます。
実際にパキスタンでは弊社が力をお貸しする、他社様にお力をお借りする場面が何度もありました。エアー配管と水配管の接続ミスもあったのですが、別工程で発生した現地ワーカーのミスで、治具の復旧が必須でした。しかしここも腕の見せ所で、今まで培ってきた経験と知恵で当初の予定時間よりも大幅に短縮することが出来ました
設備改修は簡単ではありませんが、現地チームと協力しながら原因を一つずつ整理し復旧作業を進めました。海外工事ではこうした想定外のトラブルも珍しくありません。現場で判断しながら設備を成立させていくことも、施工チームの重要な役割になります。
現地状況への対応として、当初計画になかった改造も多数行いました。
例えば
・ライトカーテンやレーザースキャナー位置変更
・安全柵の改造
・溶接打点の振替
・ピン径変更
・ガイド追加
・ワーク受け追加
などです。
現場では、設計段階では見えなかった改善ポイントが必ず出てきます。
その都度、現地資材を活用しながら設備を改良し、ラインとして成立させていきました。こうした柔軟な対応力は施工チームの腕の見せ所でもあります。
海外現場ならではの課題もありました。
通信環境が不安定で工場内ではネットがつながりにくく、コミュニケーションも簡単ではありません。英語が十分に通じない場面では、図面やジェスチャーを使いながら作業内容を共有しました。
また安全面の理由から、現場とホテルの移動には警備員が同行するなど、日本とは大きく異なる環境での工事となります。
それでも現地スタッフはとてもフレンドリーで協力的でした。
作業を積極的にこなしてくれて、休憩のたびに振る舞ってくれるチャイは現場メンバーにとってちょっとした楽しみでもありました。
さらに、日本側のチームも迅速にサポートを行いました。
不具合部品の製作や技術支援をすぐに行える体制があったことで、現場の対応スピードを落とすことなく工事を進めることができました。その結果、工事期間内でのライン完成を実現しています。お客様から評価を頂いた瞬間は、メンバー一同うれしい時間となりました。
海外での生産設備構築では、設計・電気・施工・SVが一体となったプロジェクトマネジメントが不可欠です。今回のプロジェクトでも、各メンバーが役割を超えて連携しながらラインを完成させました。
派手な仕事ではありませんが、こうした一つひとつの積み重ねが安定して稼働する生産ラインを生み出します。
構想・設計・制作・施工までを一体でやりきる。
それがテルミックスがラインビルダーとして大切にしている仕事の進め方です。
これからもテルミックスは、国内外の工場での生産技術課題に寄り添いながら、グローバルの工場自動化に挑戦していきます。