インド自動車産業の潮流とテルミックスの役割
【当社の技術を、インドでのものづくりに】
こんにちは、技術コンサルの T です。
このたび、テルミックスとして進展している複数のプロジェクトに関連し、
インドの顧客工場や協力会社を訪問してきました。
今回はその現場視察を通じて見えたインド製造業の現状と機運、
及びテルミックスの方向性について、考察を交えてお届けします。
■ インドの製造業・産業政策の背景
ご存じの通り、インド政府はここ数年、製造業への構造的支援を強化しています。
中心となるのが「Make in India」政策で、国内生産を基軸にした 自動車・EV産業の育成を目指しています。
このフレームワークでは、輸出促進、外資誘致、内需拡大のための税制優遇や補助金制度が整えられつつあります。
たとえば電動モビリティ推進制度(Electric Mobility Promotion Scheme)など、政策的なインセンティブが自動車産業の投資を後押ししているのが特徴です。
インドの自動車市場は世界でも有数の成長市場であり、乗用車生産は年々増加傾向にあります。輸出拠点としての位置づけも強く、現地生産のメリットを活かした グローバル生産シフト が加速しています。
■ スズキ(Maruti Suzuki)の拡大戦略
報道ですと、スズキはインドの乗用車市場で長年トップシェアを維持しており、現地四輪子会社の生産能力は既に約260万台規模に達しています。加えて、2030年までにインドでの販売シェア50%を目指す方針を打ち出しており、EVやSUVのモデル投入を通じた市場競争力強化を図っています。
また、スズキは2030年度に年間400万台体制の生産拡大を目指しており、1兆円規模の投資をインドに集中する計画を発表しています。これは電動化や次世代モビリティを見据えたものであり、業界全体の需要増に対応するための基盤強化と位置付けられています。
■ トヨタ等の他社動向
トヨタ、ホンダといった他の大手も、インドを生産・輸出の戦略的拠点として強化しています。インド国内に新工場を建設するなどの投資が進み、特にサプライチェーンの現地化や新車種投入を見据えた生産ラインの高度化が進んでいます。その観点は、主には省人化ではなく、品質の安定化です。
■ テルミックスの方針と現地顧客ニーズ
今回の視察で改めて感じたのは、
日系メーカーのインド拠点生産が未曾有の量的拡大局面にあるという点です。
顧客企業では工程集約・FA(Factory Automation)・ライン自動化、更にはDXの取り組みが急速に進んでいますが、生産技術リソースの不足がボトルネックになっているのが実情です。
具体的には、新製品立上げ、設備仕様検討、ライン構想などの上流工程で人材が逼迫しており、現地での立上げや量産移行時のメーカー生産技術部門の負担が大きくなっています。
ここに対して、テルミックスは
「構想から立上まで丸ごと対応する」体制で応えています。
ターンキーでの提案・設計・製作・施工に加え、リスク抽出や日程管理などプロジェクトマネジメントの価値創出を意識しています。
現場では、仕様の不整合や、施工現場でも予期せぬ課題で立上げ遅延などが生じます。
そこでのリスク予見と統合的調整が求められているのです。
■ 協力会社との連携と現地パートナーシップ
インドでは、現地製作や施工を担う協力会社とのネットワークが不可欠です。
視察した現場では、メカ・電気・ソフトウェアの三領域を横断できるパートナーが多数存在し、モジュール制作、制御立上げ、搬送・マテハン設備の施工も含めて対応しています。
さらに、MES(製造実行システム)との統合やトレーサビリティ対応といった付加価値案件にも現地で対応できる能力も見受けられ、感心することもありました。
ただし、訪問先で確認した課題としては、「品質のばらつき」と「マネジメント力の不足」が挙げられました。
特に製作物や施工精度に関しては、日本基準レベルとのギャップが散見される場面もあり、インドメーカーの一部はQCD+Sにおいて改善余地があるかもしれません。ここを補完するのが、テルミックスが持つ品質統制とグローバルなインテグレーション力です。
■ 視察を終えて
インドでは、政策支援、内需拡大、輸出拠点化といった追い風の中で、
各メーカーが積極的な設備投資・生産拡大戦略を進めています。その一方で、生産技術部門はリソース面での限界に直面しており、構想立案から立上げまでを一気通貫で対応できる支援力が求められています。
テルミックスとしては、
この「上流構想 × 現地立上げ × 統合マネジメント」
という価値を、インド市場でますます強化していく所存です。
技術と管理の両面で、お客様に寄り添い、やりきるラインビルダーとして、
インドのお客様と共に成長していきたいと強く感じた視察となりました。
ではまた