テルミックスのDX化
このたびテルミックスは、基幹システムの変更および経営BIツールの実装に関する取り組みが評価され、基幹システムベンダーであるテクノア社より「Techs AWARD 2025」を受賞しました。
ラインビルダーには、個別性の高い案件を、多様な工程と関係者を束ねながら前に進めることが求められます。
そのため、現場の技術力に加え、案件の見通しを把握し、状況変化に応じて適切に判断し、全体を円滑に動かす管理力が不可欠です。
テルミックスは本取り組みを通じて、ラインビルダーとしてより高度かつ安定的にプロジェクトを推進していくため、案件・工程・人員稼働を一体的に管理できる情報基盤を強化しました。
・ラインビルダーの事業特性
ラインビルダーは、顧客ごとに異なる要件に対応しながら、生産ライン全体を構想し、設計・製作・据付・立上げまで一貫して担う事業です。主な事業特性は以下の4点です。
・個別性・特殊性の高さ
顧客の製品特性、工場環境、生産条件、品質要求、納期条件などに応じて、求められるラインの仕様や対応内容が変わります。
・プロジェクト型であること
案件は、設計、調達、製作、組立、据付、立上げといった複数フェーズをまたいで進むため、部分最適ではなく、プロジェクト全体の進行管理が重要です。
・人・業務工程間の調整負荷が高いこと
担当者ごとの専門性、作業順序、他案件との兼ね合い、社内外の連携など、複数要素を同時に調整しながら進める必要があります。
・変化点が多いこと
仕様変更、追加要望、技術課題、リソースの偏りなど、進行中に変数が増えやすく、固定的な計画だけでは十分に対応できません。
このように、ラインビルダー事業では、技術力に加えて、複雑な案件を安定して進めるための管理基盤が重要な競争力となります。
・解決すべき課題
こうした事業特性を踏まえると、ラインビルダーには主に5つの課題があります。テルミックスは、これらに応えられることが、優れたラインビルダーの条件であると考えています。
・将来の設備投資需要を見据えた体制準備ができているか
先々の設備投資需要を可視化できれば、必要な社内体制の構築や、協力会社様との連携体制の整備を進めることができます。
・プロジェクトに適したスキルを持つ人材を、必要なタイミングで配置できるか
プロジェクト型の事業では、初期段階でのアサインが重要です。誰が、どの案件に、どの程度、どの業務に時間を使っているのかを正確に把握することが欠かせません。
・計画と実態のズレを早く捉えられるか
ズレを完全になくすことは困難です。重要なのは、そのズレを早期に把握し、適切な対応につなげられることです。
・案件単位ではなく全体最適で運営できるか
個別案件だけでなく、全社としての稼働状況や優先順位を見ながら、全体のバランスを保って運営する必要があります。
・知見を個人に閉じず、組織学習につなげられるか
どこに負荷がかかり、どこに改善余地があったのかを定量的に把握し、次の案件やエンジニアの成長、企業としての知見蓄積に活かせることが重要です。
・課題に応えるためのケイパビリティ
テルミックスでは、今回の基幹システム刷新と経営BI実装により、上記課題の解決に必要なケイパビリティを強化しました。これにより、各種課題を定量的に把握し、社内で共通の事実に基づいて、適時適切に協議・意思決定を行うことが可能となりました。
・案件見通しを先行的に把握するケイパビリティ
案件全体の見通しを早期に把握し、将来的な負荷や対応の必要性を先回りして捉えることで、計画的なプロジェクト推進を支えます。
・プロジェクト実態を継続的に把握するケイパビリティ
各案件の進行状況を定量的かつ継続的に把握し、状況変化に応じた判断や対応を行いやすい管理体制を整えています。
・工数差異を分解し、ボトルネックを特定するケイパビリティ
PJ別、人別、作業内容別に実績を可視化することで、負荷や停滞の発生箇所を具体的に把握し、改善につなげます。
・全社最適で人員配置するケイパビリティ
稼働率を可視化することで、案件ごとに必要な人員を適切に配置し、過度な偏りや手待ちを抑えながら、全体最適で運営する基盤を強化しています。
・定量データを振り返りと育成に接続するケイパビリティ
プロジェクト状況を定量的に可視化し案件ごとの課題や改善余地をより客観的に把握できるようになりました。これにより、エンジニア一人ひとりの経験蓄積や成長にもつなげ、組織全体の案件遂行力向上を図っています。
・最後に
テルミックスは、DXを、ラインビルダー事業に必要な管理能力を高め、お客様への提供価値をより安定的かつ持続的に高めるための基盤として位置づけています。今後も、管理基盤と現場力の両面から企業力を強化し、より高い品質でのプロジェクト推進を実現してまいります。