EVバッテリー組立・搬送ラインを組立・施工【前編】
[地味スゴTMX事例シリーズ]
20m超・90ユニットのターンキー案件。“新しい常識”に向き合うワクワク
岡山を本拠地に国内はもちろん世界中——テルミックスは大小さまざまな工場自動化に携わってきました。今回ご紹介するのは、電動自動車向けのバッテリー組立・搬送装置の事例です。1ラインあたり約90ユニットで構成され、全長は20メートル超。工程の中には、搬送だけでなく重量測定やバッテリー液の注液なども含まれます。納入先は国内2拠点と北米1拠点。うち1拠点ではテルミックスが現地での施工まで実施し、その最終調整の精度に対しては大変好評をいただきました。
■ “ライン全体を任される”ターンキーの醍醐味
本案件も、ライン全体を一括で組立・施工するターンキー案件でした。ユニットがつながり、工程が流れ、最終的にバッテリーが完成していく。設備単体ではなく一連の流れを丸ごと担う案件はラインビルダーとして冥利に尽きます。担当エンジニアも「終始ワクワクしていました」と振り返ります。一方で、規模が大きいほど負荷も大きくなります。特に今回は、初めての顧客だったこともあり、これまでと前提が異なる全く新しい案件であり、技術以前に「常識」や「慣例」の違いが多いところも特徴でした。
■ “当社の当たり前”と“顧客の当たり前”のギャップ
バッテリー組立設備は、品質基準や管理の考え方も含めてテルミックスには比較的新しい領域です。本件では、図面や仕様の話以前に、手順・管理方法・区分の捉え方など、前提を丁寧に揃える必要がありました。ここでのすり合わせを怠ると、後半で工程や責任範囲が曖昧になり、現場が混乱します。だからこそ、テルミックスは「どう進めるのが最も確実か」を顧客と一緒に整理していきました。こうした地味な土台づくりが、実はプロジェクトの成功を支えます。
■ プロマネで現場の回し方を作り直す
本案件では途中でとあるフェーズの「1週間の前倒し」が決まりました。致し方ないことですが、正直に言うと「どう現場を回そうか」と頭を抱える状況でした・・・が、ここで生きたのがプロジェクトマネジメント力です。誰が何を抱えているかを見える化し、作業の依存関係を整理し、工程を組み直す。さらに、現場で必要になる支援ツール(レンタル品)も導入してチームで対応しました。これは使いこなすのにも悪戦苦闘しつつ「全員が使える状態」にまで持っていけたことは、後半のスピードと品質に効きました。
■ 技術だけでなく“気持ち”が案件を動かす
社内ではキックオフを実施し、各領域の担当と作業責任者を定めて推進しました。ただ、実際に動かしてみると、領域ごとの作業責任者の動き方によって、うまく機能しない場面も出ます。統括責任者としては、ここが一番悩ましいところでした。今回改めて認識したのは、作業責任者には技術力だけでなく、「チームとして機能させる」という意識の面が重要だということ。ここは次の組織づくりに活かしていくべき学びでした。
一方で、TEAMSを活用し情報共有を徹底したことで、チーム内の認識と方向性が揃い、結果として進捗がスムーズになった部分もあります。こうしたデジタルツールはどんどん使い倒します。それに、新規案件ほど「情報の揃え方」が成果に直結します。
(つづく)