国内自動車メーカー:汎用ライン開発プロジェクト
[地味スゴTMX事例シリーズ]
国内自動車メーカー:汎用ライン開発プロジェクト
岡山を本拠地に国内はもちろん世界中——テルミックスは大小さまざまな工場自動化に携わってきました。今回ご紹介するのは、国内自動車メーカーさま向けに開発した汎用ライン の事例です。
本プロジェクトは 2017 年頃に試作段階からスタートし、国内基幹工場への納入を経て、その後国内外へ横展開された、大きな成功事例のひとつとなりました。TMXらしい、独自の機構考案と、やりきる力を発揮した案件です。
■ 汎用化への挑戦から始まった、独自搬送ラインの構想
当時、お客様は複数車種に対応できる効率的な生産ラインの新設 を検討しておられました。その中で、従来にない“ユニークな搬送方法”を採用したいというと、当社へ検討のご依頼がありました。
構想段階では、まず 3〜4案のラフな搬送パターン を作成。技術者としては、こうした機構案の可能性を探る工程はとても楽しく、
「この軸の動き、もう少し連動させれば安定するのでは?」
と社内で何度も議論が交わされました。
その後、より実現性の高い構造に絞り込み、詳細設計へ進むことに。
ただし、この工程で大きな壁となったのが——限られたスペース と 機構の成立性。狭い領域に複数軸構造を組み込む作業は簡単ではなく、社内では試作と検証を粘り強く積み重ねました。
最終的には 新規の基準機構+独自搬送装置 という形で成立させることに成功。顧客の生産方針に合致し、汎用性・フレキシビリティを兼ね備えた設備として高く評価されました。
■ フレキシブルな複数軸治具 × ユニークな搬送装置
“地味だが技術が詰まった”独自構造
開発した設備は、
• 複数軸・スライド式の基準機構を持つ仮組治具
• 増打工程に対応した特徴的な搬送装置
この2つを組み合わせた独自構成です。
特に搬送装置は、動きの精度を追い込んでいく段階で技術者の熱が入り、「この角度での受け渡し、もう少し・・・」と何度も調整を行いました。
こうした“地味な最適化”が、結果として生産性と安定性に直結しています。
■ 競合を退け、国内外で計4ラインへ横展開
開発した汎用ラインは、2019 年に車種対応が完了した後、国内 S 工場に加え、国内外の他工場へも横展開。現在までに 合計 4 ラインが導入されており、いずれも当社が受注 しています。競合提案があった中での選定であったこと、さらに横展開が継続したことからも、
本設備が顧客の生産戦略において“再現性のある価値”を提供できたといえます。
なお、本件は顧客からの 表彰も頂き、構想力・実現力の両面で評価いただいたプロジェクトです。
■ TMXらしい“最後まで寄り添う対応力”——責任範囲を理由に逃げない
他メーカーでは、責任領域を明確にし、自社の範囲外トラブルには対応しないケースも少なくありません。もちろん仕事なので、それは大事です。しかし当社は、顧客の生産にリスクがある限り、「原因がどこにあっても、まずは当社が一括で対応する」という姿勢を貫いています。
本案件の立ち上げフェーズでも、購入部品の不具合が発生した際、当社はすぐに原因を特定し、部品メーカーへ働きかけて代替品を即座に調達・納入。
さらに、「本来どう運用すれば再発を防げるか」という運用対策も明確に提示しました。
その後、同一部品に関する不具合は一度も発生しておらず、顧客からは 迅速かつ実効性の高い対応 として高く評価されています。
■ テルミックスで発揮された “地味にスゴイ” 強み
① 汎用化と省スペース化を両立させる構想力・実現力
限られたスペースに複数車種対応の搬送構造を成立させた技術力。
② 試作から詳細設計まで、技術検討をやりきる粘り強さ
機構の最適化に向けた試作・検証の積み上げ。
③ 顧客の困りごとを “責任範囲を超えて” 解決する対応力
原因が顧客側・購入部品側にあっても逃げずに一括対応。
④ 生産方針に寄り添い、横展開へつながる再現性のある設計
4ラインの導入につながった普遍性のある設備構成。
■ おわりに
本件は、ユニークな搬送方法の構想から始まり、試作 → 設計 → 実装 → 横展開 へとつながった長期プロジェクトでした。技術者としては、試作段階でアイデアが形になっていく過程が非常に刺激的で、“技術が好きだからこそ最後までやりきれる”そんなTMXらしさが随所に表れた案件だったと言えます。
今後も、顧客のニーズと現場に寄り添いながら、「困ったらTMXに相談すれば何とかしてくれる」と言っていただけるラインビルダーを目指して取り組んでまいります。