自動化の加速 生産技術の皆さんに寄り添う
「上流構想」がすべての起点です。
こんにちは、技術コンサルの T です。
今日は、自動化ラインの話の中でも、個人的にいちばん大事だと思っている「上流構想」についてお話しします。
最近、自動車・自動車部品、建機、造船、工作機械といった業界で、「自動化をもっと加速したい」という声を本当によく聞きます。特に、大型ワークや重量物、溶接・締結、多品種・小ロットといった難易度の高い工程ほど、その必要性は切実ですよね。一方で、現場でお話を伺っていると、生産技術の皆さんが抱えている 「時間が足りない問題」 は、年々深刻になっていると感じます。
正直に言うと、この“時間不足”こそが、自動化を止めてしまう一番のボトルネックだと思っています。
■ 生産技術が抱える“困りごと”は、どの業界でも共通です
生産技術の仕事って、本当に守備範囲が広いですよね。
- 新製品立ち上げに伴う工程設計
- 設備メーカーとの仕様検討
- 既存設備のトラブル対応
- 工場全体の改善テーマ
- 品質改善への対応
- 海外工場からの問い合わせ
- ロボットティーチングや制御調整
さらに、作業責任者(作責)として現場工事の最終判断まで任されるケースも少なくありません。
これだけのタスクを抱えていれば、自動化の構想や仕様をじっくり考える時間が取れないのは、正直、当然だと思います。ですので結果として、
- 「とりあえず設備メーカーに丸投げする」
- 「SIerに仕様を詰めてもらう」
という進め方になりがちです。ただ、ここで一度“流れ”ができてしまうと、後工程での後戻りが一気に増えます。この状況、生産技術のみなさんならわかると思うんですが、最後に苦労するのは、結局また生産技術なんですよね。
■ 海外では“上流工程を外部に任せる”のが普通です
ここで少し視点を変えて、海外の話をします。欧州や北米では、現地調査・工程分析・構想・仕様検討(URS)・プロジェクトマネジメントといった工程を、外部のエンジニアリング会社やラインビルダーに委託するのが一般的です。
これは、
- 米国DOE(エネルギー省)の産業プロジェクト管理ガイドライン
- Siemens、Bosch Rexroth、KUKA など欧州大手の自動化事例
- 北米SI業界団体 CSIA が推奨するインテグレーションモデル
といった情報を見ても、共通している進め方です。
海外では、生産技術は「判断」に集中し、上流の構想・PM・統合は専門家に任せたほうが、自動化は速く、確実に進むという考え方が、すでに“前提”になっています。
■ TMXが大切にしているのは「上流構想」と「やりきる姿勢」です
生産技術の皆さんが忙しすぎて、構想に時間を割けないときこそ、ラインビルダーである TMX の出番だと考えています。
- 1. 上流構想(仕様検討・工程分析)
大型・重量物、多品種、溶接・締結、画像処理…。こういった難しい工程ほど、上流構想の質がすべてです。この工程、個人的にすごく好きなポイントでして。構想段階できれいに整理できると、後工程が楽になります。
TMXでは、現地調査 → 工程分析 → 動作分解 → 仕様検討まで、生産技術の皆さんと同じ目線で、一緒に考えます。
- 2. 技術インテグレーション(統合設計)
自動化ラインは、
- ロボット
- 画像処理
- 制御
- 搬送
- 自動倉庫
といった技術の集合体です。基本的にはメカ・電気・ロボット・画像・制御なんですが、これを「つなぐ」作業が一番難しい。ここを TMX がプロジェクトマネジメントとして一元化します。
- 3. 最後までやりきる
ロボットの微調整
治具などの精度出し
制御ロジックの最終調整・・・
正直、この部分はかなり地味です。
でも、この地味な積み上げこそが、ラインを安定させます。
TMXはこれまで多くの現場でライン立ち上げをやりきってきました。技術が好きで、お客様の担当者と一緒に頑張るのが好きで、大変だけど喜んでもらったらまた同じことを感じたくて、なので最後まで詰めたくなってしまいます。
■ 生産技術の皆さんへ
いまの製造業では、自動化のスピードがそのまま競争力につながります。でも、生産技術が一人で全部を抱える必要はありません。外部に丸ごと任せるという選択は、自動化を速く、確実に進めるための有効な手段です。
TMXは、寄り添い・やりきる自動化ラインビルダーとして、上流構想から立ち上げまで、生産技術の皆さんに並走します。
では、また次回。
技術コンサル T でした。